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​りんぷん

 

世界中の本棚から
忘れられた本が
飛んでいく夢をみた

閉じられていた本がひらき
蝶のように羽ばたくと

すべてのページに
風があたり
光があたり
文字は鱗粉となって
こぼれていく

春の午睡のなかで
そんな夢をみた

眠るまえよりも
ほんのすこし
世界がきらきらしてみえたのは
気のせいでしょうか

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