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島へ

 

そして
二人で目を閉じた

どこからか
波の音がきこえる


あなたは もう
眠りの島へと着いたのだろうか

わたしには 
あなたの島へゆく船がない


その先の言葉がみつからないので
ちいさく口笛を吹いてみた

長調でも短調でもないメロディが
泳ぎながら
あなたの耳にすいこまれてゆく

今頃、
あなたの眠りの島では
口笛の雨が降っているだろう

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