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​黒猫

 

 

わたしは 
一匹の黒猫と暮らしている

夕暮れが大好きで
曇りの日には迷子になり
夜は気まぐれに いたり、いなかったり

眠る頃には
真っ暗な部屋の中で
黒猫は 
わたしをすっぽりと包みこんでくれる

ある晴れた日
のびをしている黒猫をみながら


思う

わたしが死んだら
君は どうなるのだろう

どこかで 赤ん坊の産声が聞こえたら
そこに飛んでいくがいい

ちいさなあるじの
ちいさな黒猫になって
晴れた日には また のびをしてみせて

わたしは どこか うえのほうから
そっと みつけるから

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