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大丈夫

 

買ったばかりの古本を手に
喫茶店に入る

いつもの癖でカバーを外すと
裏表紙に目がとまった

糸のように かぼそい線で
大丈夫
と、書いてある

いつ だれが 

どんな気持ちで書いたのだろう

めぐりめぐって届いた
「大丈夫」

かくれていた小さな文字が
今、わたしをまるごと抱きしめている​​

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